クールな彼と放課後の恋

「今日は親仕事なのか?」


修君が家中を見渡して言った。




「うちの親サロンのお店の経営者なの。離婚してお父さんから慰謝料もらってそのお金でお店開いたんだよ?子を持つ親としてありえなくない?」


日向が呆れながら言った。




「だけどそのサロンは大人気。今じゃちょっとしたセレブだよあの人…第二の人生で私たち子供を田舎にほったらかして、自分は東京にマンション借りて住んでるの。ま、私たちとしては気楽だけどね〜小うるさい親がいない分好き勝手出来るし、お小遣いは結構貰えるし♪」


日向はケラケラと笑い、
軽い口調でそう言った。


日向が言ったことは全て事実。

好き勝手やっている母は、仕送りだけしてほぼ東京に行ってしまっている。


子供を置いて母親は東京で働いている…
なんて言えないので、周りには出張だと嘘をついていた。



ま、日向の言う通り…
親がいない方が楽なのは確か。

自由に生活できるしね…




「なーんだ。うちとあんまり変わんねえじゃん」




少し安心したように言う、修君。



変わんないって…?




「俺んちも母子家庭でお袋は海外でファッションの仕事してるから、ほぼ家にいない。藤川んちと一緒で、仕送りしてもらって兄ちゃんと2人暮らしだよ」





そうだったの?

稲瀬の家も…うちと同じ?