クールな彼と放課後の恋

「本当にありがとうございました」

「いや。でも暗くなったらあんまり一人で出歩かない方がいい」

「はい」


日向がお礼を言うと、
稲瀬は冷静にそう言った。




「じゃ…俺は帰る。また明日な」

「あ…」


私たちに背を向けて稲瀬が帰ろうとする…




「待って!」


私は稲瀬を呼び止め、
そして小走りで近づいた。




「ねえ…もしこの後用事とかなければ………」

「?」

「…う、うちでご飯食べてかない?」


恥ずかしい…

でも…このまま帰すなんてなんか申し訳なくて……




「・・・・・」

「…用事があるならいいんだけど……」


ス…




ポケットに手を入れ、
スマホを出す稲瀬。




「じゃあ修も呼んでい?晩飯の用意してねえんだ」

「………!」







…………………




「体育祭楽しみだね」

「俺リレーやりたいんだよなー」


日向と修君が、リビングで体育祭の話をしている。