クールな彼と放課後の恋

「ん…」


持ってくれていた荷物を、
私に差し出す稲瀬。




「ありがと。助かりました」


お礼は言えたけど稲瀬の顔見れない…




ガサ



へ?



ガサガサ…ガサガサ…



すると稲瀬は私が受け取ったスーパーの袋に手を入れ、ゴソゴソと探り始めた。そして…



スーパーの袋から、
さっき買ったチョコアイスを1つ出した。




「ちょ、ちょっと!それ私の!」

「…昨日言ってたじゃん。『今度何かおごる』って」


あ…

言ったわ。

確かに言った…




「じゃあな」

「あ、うん…」


早速アイスを出して、口にくわえる稲瀬。




「行くぞ、修(しゅう)」

「うん!じゃあな藤川……と、美人お姉ちさん!」


稲瀬兄弟は私たち姉妹に背を向けて、帰って行った。



私は…また稲瀬の背中をずっと見つめてしまう…



今日は話せないと思ったけど…

話せた。



「家入ろーお腹空いちゃった」

「うん…」


私と日向は家の中に入った。





その夜


夕飯とお風呂を終えた私は、
リビングのソファーでスマホを眺めていた。




…今日送ってくれたこと。

LINEでお礼言った方がいいかな?