クールな彼と放課後の恋

う…これは逆らえない…




「…そこの信号渡って真っ直ぐ」

「ん…」


先にスーパーを出て行く稲瀬。

私と日向と稲瀬弟3人は顔を見合わせた後、すぐ稲瀬の後を追った。






「アハハ、なにそれー」

「あの先生おかしいよな」


帰り道

稲瀬→稲瀬弟→日向→私

…の順番で、4人並んで私の家を目指す。



稲瀬とスーパーで会うなんて、
思ってもいなかったなぁ…

しかも送ってもらうなんて…

それに家が近所だなんて
全然予想してなかった…




いっ………!


日向と稲瀬弟を挟んで、
稲瀬と目が合う。



バッ……


私はクルッと横を向き、
知らない人の家の庭の植木を眺めた。



私植木好きなんですー

園芸委員会になってから、
ハマってるんですー


植木好きを偽って、
稲瀬のことは気にしてないオーラを出す。



私変だ…

学校では平気なのになんでスーパーで稲瀬に会うと、こんなに緊張するんだろう…


日向は稲瀬弟とこんなに仲良く話してんのに……

私はかわいくないよね…







「送ってくれてありがとねー」


4人で家の前まで来ると、
日向が稲瀬たちに向かって言った。