クールな彼と放課後の恋

こんなとこで稲瀬に会うなんて、
恥ずかしいっ!

しかも妹と夕飯の買い物なんて庶民的過ぎるでしょっ!




「稲瀬くん!」


すると日向が私の手から離れ、
稲瀬の方に近づいていく。



なんで!?

日向と稲瀬知り合いなの!??




「藤川?」


え…


日向が近づいていったのは、
稲瀬の隣にいる中学生の男子の方だった。




「偶然だねー買い物?」

「そ。兄ちゃんが晩飯作るんだけど俺も暇だから買い出しついてきた!」

「あ、この人が稲瀬くんのお兄さん?話してた通りイケメンだね!稲瀬くんに似てるー」


お、お兄さん!?

この子稲瀬の弟!!?



「あ、あれ私のお姉ちゃん!お姉ちゃん、同じクラスの稲瀬くん。この前転校してきたんだよ」


なにーーーー!!!!



稲瀬弟と日向が同級生?

あ…稲瀬ってこの春引っ越して来たって行ってたよね?


ってことは…

稲瀬の家って・・・




「お前んちこっから近いの?」

「うん!そこの交差点曲がったらすぐー稲瀬くんは?」

「俺んちこの通りのマンション」

「そうなんだ!近いね〜」



家、近所なの!!?


この前私の地元の話になって、
地名教えたけど…

稲瀬はそんなこと一言も……



稲瀬を見ると、私を見てなんだか楽しそうな笑みを浮かべている。