クールな彼と放課後の恋

「あ、あの………さ…」


さっきまで文句言ってやる気満々だったのに、いざ本人を前にするとなかなかスイッチが入らない。





「もしかしてパンの応募シールのこと？」


少し面倒くさそうに言う稲瀬。




「ち、ちがーう！委員会のことだよ！」

「…委員会？」

「そう！なんで委員会の仕事サボるのよ！？あれだけ先生に言われたのに…」


やった！

とりあえずちょっと怒ってるっぽく言えたよ！




「は？サボってねえよ」

「え？」

「毎日水やってるけど…サボってんのはお前だろ？」

「は！？サボってないよっっ」


なんでそんな事言うの？




「俺…毎朝あの花壇行ってるけどお前来ないじゃん。放課後もだけど」

「私も毎日行ってるよ！？」

「…朝何時？」

「8時…………20分くらい？」


8時半までの登校だから、
10分前に来てやってた。




「俺8時に来てやってる…」

「は、8時！？」


早…くないですか？




「水やり終わったあと屋上で寝てる…」

「放課後は？」

「HR終わったらすぐやってる」

「……私友達と少し喋ってから行ってた…」

「・・・・・」


ヤバイ…

この空気ヤバイよね…


稲瀬怒る？

怒るかな…？？？




「…ってことは……」

「？」

「1日4回水やりしてるってことか」




稲瀬にそう言われて、
もう返す言葉がなくなってしまった…




「お前…」

「は、はい…」


怒られるー！！！

絶対に怒られるっ！！！！