「好き…………大好き…です。……本当に…」


悠に出会えて良かった…本当に良かった…




「お前さ…それ狙ってんの?このままお姫さまだっこして、ソファーに直行していい?」

「えっっっ!」

「嘘だよ」


う…


悠の言葉を聞き、とっさに抱きついていた手を離した途端…悠は笑いながらリビングのソファーに座った。

私は恥ずかしいのと悔しい気持ちがごっちゃ混ぜになりながら、とりあえず拳を握り締めて唇を噛み締めていた。




「ほら…こっち来いよ」


悠は自分の座っているソファーの横を、ポンポンと叩く。

私は一瞬渋ったが、悠の隣にそっと座った…これじゃまるで犬みたいだ(笑)




「つーかさ、リフォームって2階のどこやってんの?」


私を後ろから抱きしめながら、思い出したように言う悠。




「…なんかね……余ってる部屋をカラオケルームにするんだって…」

「カ、カラオケ!?」


悠の顔を見なくても、顔をしかめているのがわかる。




「…帰ってきたらいつでも歌えるようにって…あと、もう一つの部屋は焼き肉ルームにするらしい…本当にうちのお母さんておかしいでしょ?」


ハハハハ…と棒読みで笑う。



「ま。親がぶっ飛んでるこそ、お前がこんなにしっかりしたんだろうな。そんなお前を、俺は好きになった…」


悠のその言葉を聞いて、親を呆れる気持ちなんて今は吹っ飛んでしまう。



「悠だってそうでしょ。聡美さんてまだ少女のままみたいだけど…お母さんのこと、まるで恋人みたいに悠はサポートしてるでしょ?そういう優しい悠が、私は好きなんだよ」

「バーカ。俺の恋人はお前だけだよ」


私のおでこをピンと叩く悠に、私はそっと抱きついた。

悠は私の背中に手を回し、私の耳にキスをしたり息を吹きかけたり、軽く噛んだりして来る。


ブランド物の大きなソファーの上で、今までの人生で一番幸せな時を感じ、私は真っ赤な顔をしながらまたギャーギャーと騒ぎ、悠はそれを見て笑った。そんなことを何度か繰り返し、その夜は更けていった…




悠に出会えた奇跡に、心から感謝しよう…


そしてこれからもきっと、いつも私の隣にいてくれる悠にも…