私だってもう長い付き合いなんだし、それくらいわかるよ。
「言わねえって何で?そんな深刻なの?」
「深刻っていうか…」
私にとっては深刻だけど…
こんなこと言えるわけないじゃん!
最近稲瀬が私に触れてくれないから、寂しいなんて言えないよ!
でもここで伝えないと、ずっと触れてくれないかもしれない…
どうしたら・・・・
「言わねえと…」
ぷに
「え!ちょ、ちょっと…やめ…」
稲瀬に背を向けていると、後ろから脇腹を指でつままれた。
「言えよコノヤロ」
「や、やめて」
脇腹をつままれ必死で抵抗するも、久しぶりに稲瀬に触れられて嬉しい自分のもいる。
「次は髪ー」
「きゃ!」
脇腹が終わると、今度は私の髪の毛をぐしゃぐしゃと撫でてくる稲瀬。
ブローしたのに全部台無し…でも嬉しい。
「ほら言えよー陽葵」
髪の毛をぐしゃぐしゃにされたあとは、両頬をつねられた。
“陽葵”
稲瀬に初めて名前で呼ばれた…
いつもは“藤川”とか…「ねえ」とかなのに…
すっごく嬉しい…
あ、れ…?
「…陽葵?」
気がつくと、私の目から涙がこぼれていた。
つねっている稲瀬の指が、パッと緩む。
「ごめっ、なんでもないの!私…」
ぎゅ
あ…
とっさに涙を隠してはぐらかそうとしたけど、真剣な顔をして稲瀬に手を握られた。
もう嘘はつけない。
そう思った…
私は手を握り返して稲瀬に抱きつき、反対の手を稲瀬の着ているジャージを掴んだ。
一瞬戸惑った様子を見せた稲瀬だったが、すぐに私を受け止めて抱きしめてくれた。
稲瀬の体温が私の体に伝ってきて…
胸の音も、微かに聞こえる…
ほのかに香るいい匂い…これが、稲瀬の匂いなの…?
「陽葵…」
しばらくすると…稲瀬はそっと私から離れ、私の肩に手を置いた。
そして優しい顔をしたあと、真剣な顔つきに…
「言わねえって何で?そんな深刻なの?」
「深刻っていうか…」
私にとっては深刻だけど…
こんなこと言えるわけないじゃん!
最近稲瀬が私に触れてくれないから、寂しいなんて言えないよ!
でもここで伝えないと、ずっと触れてくれないかもしれない…
どうしたら・・・・
「言わねえと…」
ぷに
「え!ちょ、ちょっと…やめ…」
稲瀬に背を向けていると、後ろから脇腹を指でつままれた。
「言えよコノヤロ」
「や、やめて」
脇腹をつままれ必死で抵抗するも、久しぶりに稲瀬に触れられて嬉しい自分のもいる。
「次は髪ー」
「きゃ!」
脇腹が終わると、今度は私の髪の毛をぐしゃぐしゃと撫でてくる稲瀬。
ブローしたのに全部台無し…でも嬉しい。
「ほら言えよー陽葵」
髪の毛をぐしゃぐしゃにされたあとは、両頬をつねられた。
“陽葵”
稲瀬に初めて名前で呼ばれた…
いつもは“藤川”とか…「ねえ」とかなのに…
すっごく嬉しい…
あ、れ…?
「…陽葵?」
気がつくと、私の目から涙がこぼれていた。
つねっている稲瀬の指が、パッと緩む。
「ごめっ、なんでもないの!私…」
ぎゅ
あ…
とっさに涙を隠してはぐらかそうとしたけど、真剣な顔をして稲瀬に手を握られた。
もう嘘はつけない。
そう思った…
私は手を握り返して稲瀬に抱きつき、反対の手を稲瀬の着ているジャージを掴んだ。
一瞬戸惑った様子を見せた稲瀬だったが、すぐに私を受け止めて抱きしめてくれた。
稲瀬の体温が私の体に伝ってきて…
胸の音も、微かに聞こえる…
ほのかに香るいい匂い…これが、稲瀬の匂いなの…?
「陽葵…」
しばらくすると…稲瀬はそっと私から離れ、私の肩に手を置いた。
そして優しい顔をしたあと、真剣な顔つきに…



