クールな彼と放課後の恋

「静かなのが嫌なら、なんか話そうか」

「!」


スマホのゲームをやめ、私の方を真っ直ぐ見つめる稲瀬。




話そうかって…

何を話せばいいのよ……


こんなこと言うじゃなかった。

私のバカ…





「なんか…付き合ってから、二人きりの時間て結構あるよな」

「え…」

「お互い弟妹いるし、あんまり二人きりにはなれないと思ってたけど…そうでもねえよな?」

「そ、そういえばそうだよね」


なぜ?

二人きりになってんのに、弟妹はなんで一切突っ込んでこないわけ?


もしかして…

付き合う前から一緒に住んでるし、もう家族みたいなもんだから、

二人きりでいても、違和感ないのかな?


それはいいことなのかな(笑)?






ぎゅ…





っ!




きた。





隣にいる稲瀬が、隙を突くように私の手を握ってくる。

顔を見ると、爽やかな笑顔の稲瀬…

思わずつられて、私もわらう。



この雰囲気って…

多分・・・・






ぎゅぅ…





っ!!!





すると稲瀬は、私をそっと抱きしめてくる。


付き合ってから、ちょいちょい触れられてきたけど…

こんなふうに抱きしめられたのは初めて…!



やばいやばいやばいやばいっ!

これはもう…触れられてとか……そんなレベルじゃない!



どうしよう…肩震える…

それに、汗とかやばいかもっ


嫌だ。

稲瀬に気付かれるかも…







「お前って…食ったら何味かな」




!!!!