クールな彼と放課後の恋

いや…

もしかしたら、あれが本当の稲瀬なのかな?


だとしたら…私……

これから心臓持たないかも…




「ねえ…」

「ぎゃ!」


すると急に後ろから、稲瀬が私を呼んだ。

びっくりし過ぎて、とてつもなく変な声を出してしまった…




「これ…ボタン取れた」

「え、あ…ブレザーのボタンね。わかった、付けとくね…」


完全に棒読み状態で、稲瀬からブレザーを受け取る。



絶対変だと思われた…

こんな変な奴が彼女で、本当にいいのかな…


このまま、ずっと好きでいてくれる自信ないよ・・・










がやがや



「へえ~稲瀬くんて積極的なんだね♪でも、なんとなく想像できるかも」


香穂がパックのいちごミルクを飲みながら、ニヤニヤして言う。


あれから稲瀬と学校に登校した私。

1時間目は自習だったため、生徒たちはそれぞれ好きなことをやっていた。

私も香穂と2人でガールズトーク。


早速稲瀬のことを相談しながら、家で時間がなくてできなかった、稲瀬のブレザーのボタンをつけていた。






「そう?稲瀬って積極的に見えるかな?



周りから見ると、稲瀬ってそうなの?




「見えるよー私はだけどね。だって奥手タイプには見えないでしょ?」

「ま、まあ…」


奥手って言われると…違う気が…?




「でもいいな~好きな人と両想いになれたなんて、超羨ましい♥本当良かったね、陽葵♪」

「う、うん…」


何言っても、もうのろけにしか聞こえないよね。






「両想いになれたし、一緒に住んでるし本当絶好調じゃん!彼氏の家から毎日登校してるなんて、羨ましいよ。…そういえば家の工事はどうなった?」

「お母さんがこれを期にリフォームしたいってなって、今お母さんがデザイナーに相談中なの…まだ工事に入ってないから、しばらく稲瀬の家に居候させてもらうしかないんだぁ」

「そっかぁ…でも陽葵たちが無事で良かった…家がなかなか完成しなくても、陽葵が元気ならなんでもいいよ」

「香穂…」


ウルウルときていると、香穂の目線がが私の後の方でぴたっと止まる。

不思議に思い、後ろを振り返ると…