クールな彼と放課後の恋

稲瀬と付き合ってから、

稲瀬は急激に変わった。





トントントン…


朝。

いつものように、キッチンで朝食とお弁当を作っていると…




「…はよ」




稲瀬が眠そうな顔をして起きてきて、キッチンにいる私に近づいてくる。



「あ、おは………」



ぎゅ






私が挨拶を返し終わる前に、稲瀬は私に後ろから抱きついてきて…

後ろから、ちゅっと頬に軽いキスをしてきた。


そして何事もなかったように、バスルームに入っていく…

稲瀬の余裕の態度に変わり、私は固まってしまっていた。





文化祭の日から、私と稲瀬は友達から恋人になった。

好きな人と付き合えるなんて、すごく嬉しいことなんだけど…


あの日依頼、稲瀬は急変してしまった。





「おはよ。手伝おうか?」




髪の毛をしばりながら、部屋から出てくる日向。




「え、う、うん…お願い」


私はできるだけ不自然にならないよう声を出し、中断していた作業を再開した。





ま、まさか…

朝っぱらからキスされると思わなかった・・・


いや、キスっていってもほっぺだけどさ……

キスはキス!


しかも、後ろから抱きしめられたよね!?

そう来るとは思ってなかったよ…



そう。

稲瀬は付き合い初めてから、かなり積極的男子になっていた。



付き合い初日の夜は、いきなりのおやすみのちゅーをされたし…

昨日なんて、学校からの帰り道…並んで歩いてたら、腰に手回されたし…



なんというか…距離が近い!


嬉しいんだけど…突然でびっくりするし、恥ずかしいし…

どうしたらいいの…?




付き合うって、こんなに近くにくっつくもの…なのかな?

ってゆうか、稲瀬はなんで急に変わったんだろう…


稲瀬はクールで優しくて紳士的な人だと思ってから、あんなに積極的になるとは思ってなかったよ。