クールな彼と放課後の恋

うそ!
メープルないの…

楽しみにしてたのに…



「そんなぁ…」

「ごめんね~メープルは一番人気だったの…メープル以外ならあるから」

「…そうですか。じゃあ、プレーンをください」


チュロスを買い、クラスを出る私と香穂。




「メープル売り切れだったね…でも明日また来てみようよ!早めに行けば、買えるかもよ」

「うん!ありがと、香穂」


チュロスを食べながら歩き、香穂と笑い合う私。

あまりの美味しさに一瞬で食べてしまい、稲瀬たちと合流するころにはチュロスはなくなっていた。




「きたきた」


廊下で先輩たちと話している、稲瀬と永井を発見。

私たちを見つけると、稲瀬たちは先輩たちと別れた。



「焼きそば買ってきたよ」

「サンキュー」


香穂が差し出した焼きそばを、嬉しそうに受け取る永井。





「さっきは“いらない”って言ったくせに…」

「うるせー、腹へったんだよ。それにいらないなんて言ってねえし!」

「はいはい」


私は永井を無視するように言い、稲瀬に近づいた。




「はい、これ稲瀬の!一応大盛りにしたんだけど…」

「でかした」


大盛りの焼きそばを、稲瀬に渡す。




♪♪♪♪¨



すると、近くの教室から大音量の音楽が流れ始める。




「あーこれだ。先輩たちのクラスのライブ」


永井が割り箸を口で割る。



「ライブ?」

「そ。先輩のクラスの女子たちが、アイドルのライブやるらしい…さっき誘われたから、ちょっとだけ見ていい?」

「うん」


私たちは、そのライブをやるというクラスへ向かう。




「ちょっとトイレ行ってくるね」

「うん。中にいるね~」

「わかった!」


教室に入る直前に香穂はトイレに行き、私たち3人は先に教室に入る。

中は結構人がいて、まあまあの盛り上がり。


手作り感のあるステージには女子生徒が数十人いて、アイドルみたいな可愛らしい衣装を全員がおそろいで着ていた。




「皆さんこんにちわ~私たち2年B組48☆☆」


ステージに立つ女子生徒が、それぞれ決めポーズをしている。



あんなこと堂々とできるなんて、すごいなぁ…

私だったら、恥ずかしくて無理だよ(笑)



そんなことを思いながら、教室の入り口付近でライブを鑑賞する私たち。

稲瀬と永井は、焼きそばを食べている。



食べながら、ライブを観るってどうなの…?

なんか失礼な気がする…