「お互い頑張ろうね!香穂の恋に協力するし、応援するよ♥」

「ありがとう~陽葵~~♡♡♡」


私と香穂は手を繋いで、階段をかけ降りた。



中学の頃は恋なんてしてなかったため、友達とお互いの恋を応援し合うことなんてなかった。


ちょっと恥ずかしいけど、嬉しい…

こんなふうに友達の恋を応援したいと思ったことなんて、今までなかった。



頑張ろうね、香穂。







がやがや




1階に行き下駄箱で靴を履き替え、自分のクラスの屋台へ向かう私と香穂。




「ねえ…陽葵から見て、諒ってどう思う?」

「え?」


屋台に向かいながら、香穂はポツリとそう言った。




「どうって…いい奴だと思うよ。チャラいけど」

「…やっぱりチャラい?」


香穂は苦笑いをした。




「ん~見た目はチャラいよね?まあ、雰囲気も…でも話せば普通だよね」

「そうか…うん、やっぱりそうだよね」

「なんで?見た目がチャラいの嫌いなの?」

「そういうんじゃないけど…ただ、諒って目立つから……私みたいな地味な子とじゃ釣り合わないなーって」


ショボンとちいさくなる香穂。




「そんなことないって!永井と香穂はお似合いだよ!ってゆうか、私からしたら永井に香穂はもったいないほどだよ!!」

「それ言い過ぎ~」

「いや本気!香穂にはもっとちゃんとした奴がいる…あ、じゃない!とにかく!永井と香穂は合ってるよ!」

「そうかなぁ」


自信がなさそうに首を傾げる香穂の肩を抱き、慰める。





「おーーーい!」




すると、屋台にいる永井が私たちに気づき、手を振ってきた。

隣には稲瀬もいる。



「ほらほら!噂の永井♥一緒に行動するんだから、チャンスを掴むのよ!」

「う、うん!頑張るっ」


香穂に耳打ちする私。


他人の恋愛には、すごく積極的な私。

この積極さを自分の恋愛にも向けたい…





「野菜切りは終わったかー?おばちゃんたち~」


ム。


稲瀬と永井に近づくと、完全にバカにした口調で私たちをからかう永井。





「…あら、ごめんなさい」



ドンっ



「おっと」

「痛っ」


私はわざと香穂を押して、永井の元へ近づけた。

永井に抱きつく体制になった香穂を、永井はとっさに受け止める。




「あぶねーだろ」

「もう~陽葵!」


香穂、顔が赤くなってる♪



「ごめんよーん」


ケラケラ笑っていると、横に稲瀬がやって来る。

私のからかいモードは一気になくなり、背筋がピンと伸びた。





「お疲れ」

「あ、うん。稲瀬は?売上どう?」


稲瀬と話していると、乙女モードの自分にスイッチが入る。