「修くんかっこいいーー♥」


修くんの行動に、思わず私はそう叫んでしまった。

修くんは「う、うるせー」と言って照れながら、稲瀬の部屋のドアを閉めた。




「良かった…ちょっと心配しちゃったよ、私(笑)」

「修と日向のこと?」

「…!」


ホッとする私を見て、稲瀬は見透かしたように言った。




「そう。同い年だし、中学も住んでる家も一緒だから、仲良いのは当たり前なんだけど…やっぱりお互い思春期だから、ちょっと気になるな」

「思春期ってお前…お前だって、今思春期じゃね?」

「う…そーだけど!私と日向の思春期とは違うの!」

「はいはい。修なら大丈夫だよ。ああ見えて、結構紳士だから」

「うん…私もそう思う」


少しでも疑っちゃって、なんか申し訳なかったよ…





「湯が沸くまでソファーに座ってれば?」

「あ、うん…ありがとう」


稲瀬の言葉に甘え、リビングの大きくておしゃれなソファーに腰掛ける私。




稲瀬に紅茶をいれてもらうなんて、なんか変な感じ…

こんな夜中まで付き合ってもらっちゃって、本当申し訳ないな。



でも、今は稲瀬に甘えちゃお。

こんな機会ってもう絶対ないし!


好きな人の家に泊まれて、しかもこんな夜中まで一緒にいられることって、すごーっくレアだよね!?

家事があったことは災難だけど、いいふうに考えれば、ちょっとは明るくなれるかも。


ってゆうか、そう考えてないとやってられないわ。





「…ん」




湯気があがったティーカップを、私に差し出す稲瀬。

私は「ありがとう」と言い、カップを受け取った。


稲瀬は私の隣に座り、ペットボトルのコーラを飲む。

私も稲瀬がいれてくれた紅茶を、一口飲んだ。





「…おいしい」


その紅茶は、めちゃくちゃ美味しかった。




「お袋がいつも買ってるやつだよ。どっかから取り寄せてて」

「へぇ」


きっと、ものすごく高いんだろうな…

そんな味だし。





「…少しは落ち着いた?そんな顔してるけど…」

「え?」


そう言ってリモコンに手を伸ばし、テレビをつける稲瀬。




「うん…さっきよりは」

「さっきも言ったけど、あんま重く考えんなよ?ここに好きなだけいていいんだし、明日には多香子さん来てくれんだしさ」

「そだね…ありがとう。でもなんか…興奮しちゃって…とても寝れそうにないの…あ。」



やば。