クールな彼と放課後の恋

山田さんちの火事の後を、永井と見ていた修くんがクルッと振り返り、日向に声を声をかけた。





「うん…お姉ちゃんたちもいる?」

「…お願いしていい?なんでもいいから」

「わかった」


日向と修くんは、2人で近くのコンビニに行って歩き出した。

そんな2人の背中をずっと見ていると…





「あはは」


しばらくして、日向の笑ってる横顔が見え声が聞こえてきた。

修くんと他愛のない会話をして、笑ったようだった。






「…日向は修に任せとけば平気だよ」




近くにいた稲瀬が、私にそう言った。





「うん…日向、結構落ちてるみたいだから…修くんがいてくれて良かったよ」


日向とショックを共有出来ても、あんなふうに笑わせることはちょっとできないな…

そこまで、私には余裕ないよ。





「今何時かな?スマホ家の中なんだよな…」

「多分10時は過ぎてるよね?」


きっともう11時近いと思うけど…





「ごめんね。稲瀬たちは明日も学校なのに、遅くなっちゃって…」

「謝んなよ。お前のせいじゃねえのに…」

「でも…」


まだお風呂も入ってないし…





「家の中に入っていい許可がでたら、悪いけど今日は稲瀬の家に帰ってもらえる?」


壁とかの修理が終わらないと、きっとうちにはしばらく住めないと思うし。





「ああ、そうしようと思ってた…家の中に入ってない許可でたら、お前と日向も荷物まとめろよ」

「え?それって…」

「お前らも俺んちに来るんだよ」

「…」





“お前らも”


“俺んちに来るんだよ”





今の稲瀬の言葉が、頭の中でこだまする…









「ええええー!ー!!ー!!!!」


そして私の声が、響きわたった。