クールな彼と放課後の恋

ハっ…………



私は稲瀬のブカブカのYシャツを羽織り、中はブラ姿。

稲瀬は上半身裸のまま…




私たちって…

周りから見たら、アノ最中に火事になったみたいに見られてる…!!?




「お、おばちゃん!違うんですっ!」

「いいのよっ!おばちゃん誰にも言わないから!お母さんにだって黙ってるわよ」

「だから違くって…!」


どう言えばわかってくれるの~





「…ぷ」





すると、私の後ろで吹き出して笑う稲瀬。




ちょっと!

あんたも笑ってないでフォローするか、ちゃんと否定なさいよね!


近所で変な噂たったら、たまったもんじゃないよ…





「陽葵ちゃん!」






すると、火災元の家の主の山田さんの奥さん登場。

私を見つけて、走って近づいてきた。





「大丈夫!?ごめんね、本当に!私ったらうっかりしてて…も~なんてお詫びすればいいのか…」


山田さんは興奮状態で、今にも泣きそうになっていた。




「落ち着いてください!私たちは大丈夫ですから…それより旦那さんがケガしたって聞きましたけど、大丈夫ですか?」

「ええ。今ちょうど救急隊の人に看てもらってるところよ。たいしたことないヤケドらしいけど、念のため病院に行くってい……………」

「?」


会話の途中、突然私の胸元を見て固まる山田さん。

そしてその目は、私から後ろにいる稲瀬に移る…すると…






「う、うぅ~」

「や、山田さん!?」


急に目を潤ませ、今にも泣きそうになる山田さん。





「ごめんね~~~~大事な日にこんなことして~~~~おばさんのことずっと恨んでもいいからね~~~」


山田さんは号泣し、大声で叫び始めた。





「だ、だから違うんです!私はお風呂に入ろうとしただけでっ」



山田さんをなだめながら、誤解を解く私…

稲瀬は肩を震わせて『ククク』と笑っていた。


そんなやりとりをしていたおかげか、燃え盛る炎を見る暇もなく、気がつくと火はぼや程度まで落ち着ついていた。


そして火が完全に消え自宅を見たとき、少し心が傷んだ…





「火は消えたけど…結構ダメージが残ったね…」

「うん…」


少量の煙が上がる中、日向が呆然としながら私に話しかけた。