ホースを蛇口から取りまた裏庭に向かうと、

その時あるものに目が止まり立ち止まった…



「・・・・」


一瞬迷ったが一旦ホースを置いて、
目が止まったものに近づいた。








「ご苦労様」


ホースを持って裏庭に戻ってきた私は、
軍手を物置に片付ける稲瀬に声をかけた。



「ああ…」


稲瀬は振り返り私の持っているホースを掴んで、それも物置に片付ける。


それもやってくれるんだ…


私は恥ずかしがりながらも、
物置にいる稲瀬に近づいた。




「い、稲瀬くん」


稲瀬の真後ろに回り、
ポケットに入れていたものを取り出す。



「……ん?」


ホースを物置に押し込んで、
こっちを振り返る稲瀬。





「こ、これ……っ…良かったら…」


私は稲瀬に缶コーヒーを差し出した。



さっき目に止まったのは自動販売機で、
ちょっと迷ったけど彼にコーヒーを買った。



稲瀬ちょっとムカつくけど…(ちょっとかな?)

でも突き指のことで仕事やってくれたから…


私なりのお礼ということで。




「俺コーヒーはブラックしか飲まない」

「なに!?」


私が持ってるコーヒーは微糖のコーヒー。



やっぱり…

やっぱりこの人嫌かも…




ス…