カタ…





急に立ち上がる稲瀬。

違う意味で、胸がドキッとした…




やっぱり怒ってる…?


立ち上がっただけなのに、めっちゃ怖いんですけど!



そして稲瀬はベンチから離れ、どこかへ行こうとする…


もう終わったと思った、その時…





「…何やってんだ?行くぞ」

「え?」


クルッと振り返り、キョトンとした顔で言う稲瀬。


その表情は、決して怒っているような顔はしてるわけではなく、至って普通だった…




「どこ行くの?」


私もベンチから立ち上がり、稲瀬に近づいた。




「喉乾いたし小腹減ったから、さっきのカフェ行くぞ」

「小腹って…またお腹すいたの?」


ジェットコースター乗る前に、食べたばっかりじゃん!





「…いいだろ。早く行くぞ」

「う、うん…」


稲瀬と並んで歩きながら、後ろを振り返り日向に一言声をかけた。

そして稲瀬と2回目のヅラにゃんこカフェへ行き、二人きりでお茶を飲んだ。



稲瀬がさっきの話の続きをぶり返すことはなかったが、今日初めてデートらしいことができたし…

私は大満足だった。








“俺のこと…どう思ってる?”










その言葉だけで、

今は十分だよ・・・