どちらかというと騒がしい周りの音も、耳に入ってこない…

口にいれているガムの味さえも、今はしなくなっていた。





俺のこと

どう思ってる…?って…



それって、稲瀬のこと好きかどうかってことだよね…


ってことは…

稲瀬は…私のこと・・・




ドクン

ドクンっ




「…」

「…」



心臓が飛び出そう…

おまけに、稲瀬に聞こえそうなくらい鳴ってる気がする…






「あ…私は……」




ここで言えば…

稲瀬と両想いになれるの…?



私も好きって言えば…

稲瀬の彼女になれる…?









ダダダダダ…!




!?


近づいてくる足音…






「お姉ちゃん!見て!!修がくじで、こんなに大きいヅラにゃんこのぬいぐるみ当てたの!」

「…」



かなり大きなヅラにゃんこのぬいぐるみを、私に嬉しそうに見せてくる日向。

後ろには、修君や日向の友達がいる。







「なに?リアクション薄くない?お姉ちゃんに見せるために、走って来たのに~」

「え、あ…えっと…」



どうしよう…

今はヅラにゃんこのことなんて、考えられないよ…


タイミング悪過ぎ…


私は今…

稲瀬のこと好きだって言おうとしてたのに…





「…はぁ」


…!



ため息をつく稲瀬。



た、ため息!?





もしかしてだけど~

怒ってるんじゃないの~?