「あ…私たち…行きたいショップがあって…」

「そ、そうそう!この遊園地に期間限定であるのがあって…」


稲瀬の元カノと一緒に行動するなんて…そんなの無理だよ。





「じゃああっち断るから、ここで待ってろよ」

「えっ…なんで?私たちのことは気にしないで、中学の友達と一緒にいたら?」

「そういうわけには…あ」




すると、こっちに向かって歩いてくる稲瀬。

そして…




「さっきのやつやるぞ」

「え…」


稲瀬はそう言って、私の手首を掴んで引っ張った。




「さっきのって…」


あのカーレースゲームのこと?



「でも…」

「何?」

「…みんなと一緒に遊びたいんじゃないの?」


てゆうか、遊んだ方がいいんじゃ?

愛美ちゃんも、こっち見て睨んでるし…




「悠、どうする?あっち断るか?」

「別に、それぞれ適当に行動すればいいじゃん」


聞いてきた永井に稲瀬は軽く答えたあと、私を引っ張ってカーレースゲームのところへ…




「お、それやんの?」

「俺もやる!」


稲瀬の男友達二人が、カーレースのゲーム機にいる私たちに近づいてくる。

少し離れた場所で、愛美ちゃんとその友達…永井と香穂ちゃんがいた。


結局…このみんなで、行動することになっちゃった……

本当にいいのかな?



ちらっと愛美ちゃんを見ると、ご機嫌斜めの様子…




「藤川…ゲーム始まるぞ」

「え、あっ…はい!」


私は4つ並んでいるカーレースゲーム機の、稲瀬の隣のゲーム機座り、稲瀬の友達も入れて4人でカーレースゲームをやった。







数分後




「あー面白かった~」


4人でのレースゲーム修了。





「…お前最下位だったな(笑)」


ゲーム機から立ち上がる時、稲瀬が私にそう言って笑った。




「いいの!ゲームが弱くても、生きていけるっ」

「ハハハ」


楽しい雰囲気。

心がほんわかする…




しかし…






「悠~」






カーレースのゲームが終わることを、待ちかまえてしたかのように、愛美ちゃんが稲瀬に近づいた。