“私、悠の前カノの愛美です!ヨロシクね♪”



稲瀬の元カノ?が突然現れて、私はただ戸惑っていた。


元カノの登場によって、やろうとしていたカーレースゲームは中断…

稲瀬の元カノの愛美ちゃんと一緒に来ていた男女たちと、稲瀬が立ち話を初めてしまった。




「悠とこんなとこで会うなんてなー」

「諒は?」

「一緒に来たけど、別行動してる」


愛美ちゃんと一緒にいたのは、稲瀬と同じ中学の人たちなのか…

こんなところで会うなんて、すごい偶然だな。





「つーかこの子誰?悠の彼女??♪」




一人の男子が、私を見て稲瀬にそう聞いた。




「ち、違いますっっ」


あ。思わず敬語使っちゃった…




「…ぷ」


む。

そんな私を見て、稲瀬が吹き出して笑う。




「なんだ~違うの?こんなかわいい子と一緒にいるから、てっきり彼女かと思ったよ」

「悠が女の子とデートするなんて、珍しすぎるからさ。悠は女嫌いだもんな♪」



???


稲瀬が女嫌い?

なんで???





「…これは別」


これ!?


私を指で指し“これ”呼ばわりする稲瀬。


せめて名前で言ってよ…

でも、嬉しいけど…



稲瀬が女嫌いだったなんて…

今まで知らなかった。


でもなら…

どうして、元カノの存在が…?


ちらっと、愛美ちゃんを見ると…






愛美ちゃんと目が合うと、愛美ちゃんはニコッと微笑んだ。

私も愛美ちゃんに、ぎこちないが笑顔を返す。




こんな可愛くて、モテそうな子と…稲瀬は付き合ってたのか…


やっぱりイケメンは、可愛い子を選ぶんだなぁ…

はぁ…



心の中で、深いため息をつく。





「別ってなんだよ~なんかあやしいな~」

「…俺ら親友なんだよ。な?」

「えっ!?」


親友って…

なんて言い返せばいいの?


ってゆうか、別に親友じゃないし…

私は稲瀬のこと好きだから、親友にはならないと思うけど…






「親友だから、一緒に住んでるんだよ」

「えっっっ!?」

「マジかよっ」