「並んでるな」

「…混んでるね」


ヅラにゃんこカフェは大人気で、20組くらいの行列ができていた。

列の最後尾に並んだ私と永井くん。

その時、私たちの繋いでいた手は自然に離れた…



永井くんと繋いでた方の手に、まだ繋いだときの感触が残ってる…

男の子と手を繋ぐのって、あんな感じなんだな…





「ヅラにゃんこカフェなんて初めて見た…お前知ってた?」




すると、永井くんが私に話しかけてくる。



ちゃんと普通に話さなきゃ。

せっかく、私なんかと行動してくれてるんだから…


ってゆうか、なんで私と一緒にいてくれてるの?

あ!

陽葵ちゃんと、稲瀬くんに気を使ったのかな…







「…聞いてる?」

「えっ、あ…ごめん!…私も初めて見た!噂では知ってたんだけど」

「ヅラにゃんこって、最初はゲームしかなかったけど、今は人気カフェまで出来るほど人気なんだな」

「永井くん…ヅラにゃんこ知ってるの?」


どちらかというと、ヅラにゃんこって女の子に人気なのに…






「知ってる。俺はゲームしかやってねえけど…」

「え、ゲームやってるの!?ヅラにゃんこ戦争?」

「ああ。お前も?」

「やってるよ!陽葵ちゃんもね!」

「ふーん…あれおもしろいよな。俺今、チョンマゲのぶにゃがと戦ってて…」

「うそ!レベル高い…私まだ家康にゃんこで…」

「家康はコツがあるんだよ」


待っている間、永井くんとゲームの話で盛り上がる。

おかげで時間があっという間に経ち、私たちの順番になり、飲み物を買った。






「永井くんありがとう」


ジュースおごってもらっちゃった…

陽葵ちゃんにおみやげとして買おうと思ってた、ヅラにゃんこの人形焼きも。





「いいよ。たいしたもんじゃないし」

「そんな…」


男の子に、おごってもらったのも初めてだな…