駅から歩いて、ひとまず遊園地へ向かう私たち。

そして中に入り、とりあえず入り口近くにみんなで固まる。





「私たち、アレ行きたいの♪」




日向が、お化け屋敷を指差した。





「じゃあ、別行動しようか。中学生組は中学生同士で回れば?」

「うん!あとで連絡するね~」

「はいよ~」


日向と修君たち中学生たちは、お化け屋敷に入っていった。


入り口付近には、私と香穂ちゃんと稲瀬…あと永井の4人だけになる。





「とりあえず喉乾いたよね」

「そだね~あ!あっちにフードコートあるよ~」


香穂ちゃんがパンフレットを見ながら、フードコートがある方向を指差した。





「稲瀬たちも何か飲む?飲むなら買ってくるけど」

「…いや。お前らだけで行けよ…俺は…」



!!!


すると、永井がそう言って…

香穂ちゃんの手をぎゅっと握り、ニコッと笑った。そして…






「ってことで…別々で行動しようぜー♪じゃあな~」

「え、ちょっ…!」


永井は香穂ちゃんの手を引いて走り、人混みに紛れていった…




香穂ちゃん、大丈夫…?

突然のことで放心状態だったけど…


男苦手なのに、永井なんかと二人きりになんて…

マジで心配なんだけど…







「…フードコート…どこ?」

「えっ…」


香穂ちゃんが消えていった方向を見つめていた私に、稲瀬が話しかけてきた。








「…永井と一緒じゃなくていいの?」