稲瀬は永井と話してる…

昨日もバイトで帰ってくるの遅かったし、せっかくの休みなのに誘って悪かったかな。






「…私も、一緒に来ちゃって良かったの?せっかく稲瀬くんとお出かけなのに、邪魔じゃない?」


香穂ちゃんが、申し訳なさそうに言う。




「そんな…!だって遊園地のチケットくれたの香穂ちゃんでしょ?それに、私としては香穂ちゃんがいないとつまんないよ~」


香穂ちゃんのお父さんからもらった、都内の室内遊園地のチケットを私たちにくれたことから、今日のお出かけが実現したのだ。


夏休み中に、稲瀬とどこか行けたらいいなって思ってたから…

香穂ちゃんのおかげで、キッカケができたよ~


でも永井がいるなら、あんまり稲瀬と接近できそうにないしな。

日向も友達といるし…







「そお?♪でも、稲瀬くんと二人きりになれるように協力するからねっ」

「い、いいよ!だって…私と稲瀬が二人きりになっちゃったら、香穂ちゃんひとりになっちゃうよ?」

「私は、その辺ひとりでフラフラしてるよ♪いざとなったら、トイレでヅラにゃんこ戦争やって時間つぶしてる♪」

「香穂ちゃん…そこまでしなくていいって…」













「着いたー」

「意外と近かったな」


目的地到着。

やって来た場所は、私たちの地元から海沿いにある、遊べる施設やショッピングモールがある場所。

夏だということもあり、駅から降りた時点でかなりの人で賑わっていた。