「薬飲んだら良くなったよ」

「そっか。ならよかった」

「ご飯食べた?」

「うん」

「そう…」



稲瀬が食べてるとこ見たかったな…






「あとこれ。お前にあげようと思って…」

「え?」


稲瀬が、次に差し出したもの…それは…





「ピザのクーポン?」


3枚のクーポン券を、稲瀬からもらう。




「そ。さっきバイトでもらった」

「しかも、私の好きなトッピング無料のやつだ~」

「お前…この前デリバリーのピザ頼んだとき、そのトッピングのピザばっか食べてたろ。だから貰ってきたんだ」

「…!」


それって…

私にこのクーポン券をあげるために、わざわざもらってきてくれたってこと…?




「ありがとう!早速明日…稲瀬のバイト先のピザ屋に頼もうかな♪」

「頼むんじゃなくて、店に取りに来いよ」

「そうだね!そうするっ」


稲瀬が働いてるの見れるんだ!




「元気そうで安心したよ、おやすみ」

「うん!ありがとう…あ、稲瀬!」

「?」


部屋に戻ろうとする稲瀬を、私は引き止めた。





「…明日はバイト何時から?」

「11時」

「じゃあ、休憩中に食べられそうなお弁当作るね」

「…あーーでも」

「コンビニとかじゃ体によくないよ!暑いし、ちゃんと栄養のあるもの食べて欲しい…」

「…」


………あ。

私ったら、またイタイ発言を…


これじゃあまるで、稲瀬の彼女じゃん!





「い、いや!でも…たまにはコンビニとかで食べたいよね!また駅前のコンビニで、新商品のおにぎりとお弁当出たしさ~」

「弁当頼む」







………え。