クールな彼と放課後の恋

イケメン?

まあ、カッコ悪くはないけど…私は嫌!


稲瀬の方が100億倍カッコイイ!


ちらっと、稲瀬の席を見ると…

稲瀬はまだ姿勢を変えずに、うたた寝。



おーい、起きろ~

転校生なんて興味なくても、とりあえず起きろ~




「えーと…永井 諒(ながい りょう)でーす。東京から来ましたー」




気がつくと…転校生の自己紹介が始まっていた。

転校生はポケットに手を入れて、めんどくさそうに話す…




「俺が東京から、わざわざここに来た理由はっと…あ、いたいた♪」




転校生は、教室をざっと見渡すと…ニヤリと笑って、ある生徒の席へ足を運ぶ。

その生徒とは…



えっ…

稲瀬!?



転校生の目の先は、稲瀬しかいなかった。

そして稲瀬の真横までやって来ると…





「・・・起きろ」


ペシッ



!!

稲瀬の頭を軽く叩く転校生。

すると稲瀬は、閉じていた目をそっと開けて、転校生を見た…


稲瀬の顔は半分寝ぼけていて、転校生を見てもぼーっとして無表情のままだ。





「喜べ悠っ♪大親友の俺様が転校してきてやったゾ!」



え!!!


大親友って…どういうこと!?

この転校生と稲瀬は…知り合いなの?


肝心の稲瀬の反応は…




「・・・・」


何も言わず、しばらく転校生を見つめると…





「……おやすみ」

「寝るな!」


稲瀬はまた寝る態勢に入り、転校生はその行動を思いっきりつっこんだ。

教室は笑いに包まれ、先生も呆れながら笑っていた。