クールな彼と放課後の恋

席につくと、なにやら女子たちが騒いでいて、窓際に集まっている…

何気なく目をやると…







女子たちは、自分の席に座って腕を組み、うたた寝をする稲瀬をスマホの写メで撮っていた。




隠し撮り!?


う、羨ましい…私も撮りたい!

あの子たちのスマホに、稲瀬の写真があると思うと…悔しいよっ





「みんな席につきなさーい」


先生が教室に入って来ると、写真を撮っていた女子たちは席についた。


稲瀬は姿勢を変えずに、まだ寝ている…

写真を撮られたことに気づいてないなんて…お気楽だな。




「今日は急だけど、みんなに転校生を紹介するわね!」




先生のその言葉で、クラス中が急にざわつき始める。



こんな中途半端な時期に転校生?

よっぽど、複雑な事情があるのかな…





「永井(ながい)くん、入って来てー」

「…ういっすー」


先生が廊下に向かってそう言うと、ダルそうな返事が聞こえてくる。



転校生は男か…


クラス全員、教室の前のドアに注目する。





「あっちぃ~んだよ、この暑さ!この学校クーラーねえのかよっ」


…。

教室に入って来たのは、明らかにチャラそうな男だった。




「はい。あなたはとりあえず、自己紹介」


先生に頭をペシッと叩かれる、その男子生徒は、髪は明るく、制服をだらしなく着ていて、顔はやんちゃっぽくて、私の苦手なタイプだった…




「ねえ、結構イケメンじゃない?」

「明るいし、おもしろそー」

「狙っちゃおうかな♪」


周りにいる女子たちの、そんな会話が聞こえてくる。