クールな彼と放課後の恋

「ええ!稲瀬くんと同居!!?」

「ちょっ…声大きいよっ…」

「ごめんっ…」


口を両手でおさえる香穂ちゃん。

その必死の姿が、かわいい。





「稲瀬くんと同居なんて、すごい!陽葵ちゃん良かったね!!」

「…良かったって・・?」

「だって…稲瀬くんのこと好きなんでしょ?」

「なっ…なんで知って………あ!」


しまった…




「やっぱり~♪私の思ってた通り!」

「…気づいてたの?」

「うん♪なんとなくだけど…そうなのかなぁって。陽葵ちゃんも、自分で気付いたんでしょ??」

「まあね…」


うう。

友達に好きな人のこと話すだけで、こんなに恥ずかしいんだ…




「頑張って陽葵ちゃん!絶対イケるよ♪」

「イケるって…」

「だって一緒に住んでるんだもん!もう彼氏みたいなもんじゃない?♪」

「え゙…ナイナイ!それはナイッ!!」


とんでもございませんっ





「ふふ。陽葵ちゃんて、想像してた性格と全然違ーう。もっとクールで大人っぽいと思ってたけど、本当はすっごくカワイイんだね♪ヅラにゃんこ好きだし、お料理とかも上手だし…私大好きになっちゃうかも~



そう言って香穂ちゃんは、私の腕にしがみついた。




「そんなっ…全然!カワイイとか…ないから!てか、カワイイのは香穂ちゃんだって!私、香穂ちゃんみたいに顔も性格も可愛らしくなりたいよ!癒し系だしさ…男にモテそうなのに、そういうの全然出さないし、しかもヅラにゃんこ好きでゲーマーだから大好き♪」

「なに言って…そんなことないよー」


キーンコーン

カーンコーン


私たちがお互いを褒め合っていると、チャイムが鳴った。




「あ、先生来るね」

「戻ろっか」


私と香穂ちゃんは教室に戻り、それぞれ席についた。





「カッコイイ~」

「ヤバすぎ♪」