クールな彼と放課後の恋

学校に着き、委員会の仕事が終わると、暑さで汗が吹き出てくる。




「今日は久々晴れたけど、やっぱり暑いね…」

「あ、俺これ買ったんだった…」

「?」


稲瀬がカバンから出したのは…

置くタイプの小型扇風機だった。ちなみに、カラーは青!





「なにその扇風機!?」

「こないだ100ショップで買った。300円だったけど…」

「ああ、あるよね。100ショップで、300円で売ってるやつ」

「お前の分も買ったから…帰ったら渡す」

「え…」


私の…分…?





「これから本格的に夏になったら、これだけじゃ暑いと思って…見つけた時すぐ買った」


稲瀬は、手に持つタイプのあの扇風機を出して言った。





「…そうだね、ありがと。私も使うね」


私の言葉に、また稲瀬はふわっと微笑む。



この笑顔を…

独り占めできたらいいのにな…








がやがや



「じゃあ、またあとで…」

「うん」


教室に着き、私は稲瀬と離れ、自分の席につく。




変わらないいつもの朝だけど、私にとっては違う。

稲瀬と同居して、初めての学校…


私からすると、特別な日かも・・・






「陽葵ちゃん!おはよー」




すると、登校してきた香穂ちゃんが私に近づいてきた。




「香穂ちゃんっ!」

「ど、どうしたの!?」


私は香穂ちゃんの腕を掴む。




「ちょっと…話聞いて欲しいんだけど…」

「…話?」


HRまでまだ時間があった為、私は香穂ちゃんと廊下に出て、窓際で風に当たりながら…

ここ数日間の出来事を、香穂ちゃんに話した。