クールな彼と放課後の恋

「・・・・どうも」


私…超不自然な態度とってる…

恥ずかしいからって、ちょっと失礼過ぎる…

稲瀬だって、絶対変に思ってるよね…


でも、恥ずかしいんだもん!

朝から稲瀬がいるなんて、マジで心臓が持たないよ…









「じゃあね~」

「いってきまーす」


朝食を済ませ、私たち4人は同時に家を出た。

家の前で日向と修君と別れ、私と稲瀬は駅に向かって並んで歩く…



忘れてた。

これから毎日、稲瀬と一緒に登校することになるんだ…


また恥ずかしいことが増える…

恥ずかしいというか、緊張する~




「…なぁ」

「はいっ!」


隣にいる稲瀬に声をかけられ、思わず大声で返事をしてしまった。

稲瀬は少し驚いた表情をしたあと、「ぷ」と笑った。



やっちゃった…

かっこ悪い。





「具合でも悪いの?」

「…え、なんで?」

「朝からずっと、顔赤いから」

「!!!」


そう言うと稲瀬は、私のおでこに手を当てる。




や、やばいって!



「熱はねえみたいだけど…大丈夫?」

「だ、大丈夫大丈夫っ!元気だから」

「…そっか」


そう言うと、稲瀬はふわっと笑った。




あ…私の好きな稲瀬の笑顔だ。

その笑顔が、出会ったあの日から…ずっと頭に焼き付いてたな…


ってことは、私…

結構前から稲瀬のこと好きだったのかも…




う…また顔が赤くなる…


私は首を横に振り、なるべくラブいことは考えないよう努力した。









「あつ」

「暑いね…」