「い、稲瀬…!?」


寝起きっぽい顔つきの稲瀬が、腕を掻きながら私に近づいてくる…




「ごめん…起こしちゃった?」


うるさかったかな…



「いや…勝手に起きた」

「そう…あ、聡美さんに会わなくていいの?まだ近くにいると思うから、追いかければ?」


今日からまた海外に行っちゃうのに、昨日あれから…特に親子の交流なかったよね…






「いいよ。どうせまた、1ヶ月くらいで戻ってくるんだから」

「え、そーなの?」

「うん。いつも、大体1ヶ月の頻度で帰って来る。先月も会ったし」


そうなんだ…

稲瀬たちを見て、聡美泣いてたから、てっきりすごく久しぶりに会うんだと思ってた…






「今何時?」


稲瀬が目をこする。




「…6時くらいかな」

「今日日曜だろ。まだ寝てれば?」

「うーん…目覚めちゃったから、朝ごはんの用意でもしようかな」

「…なら俺も起きる」

「…へ!?」


稲瀬はそう言ってリビングのソファーに座り、テレビをつけた。





「まだ寝ててもいいのに…」

「…目覚めたからいい」

「そう?…なにか飲む?」

「うん…」


私は稲瀬と自分の分のジュースを用意して、その日はいつもよりも手の凝った朝食を作った。

その匂いにつられてか、日向と修君もその日は早起きだった。






こんな感じで、


私と稲瀬の同居生活が始まった…



稲瀬と出会ってからまだ日が浅いのに、

色々有りすぎる…


これから何が起こるんだろう…