「ぐ、偶然だね…」


さっき香穂ちゃんとあんな話したけせいか…

稲瀬のこと、まともに見れないよ…




「ちょうど、お前に連絡しようと思ってた…」

「え?」


私に…?




「今日、飯食いに行ってもいいのかって聞こうと思ってたんだ」

「あ、そ、そう…」

「毎日夕飯食いに行ってもいいって言ったよな?」

「言いました(汗)」


今日はさすがに休みだから、来ないと思ってたよ…






すると信号が青になり、通行人が歩き始めた。

私と稲瀬も、信号を渡って歩き始める…





「ところで、すごい荷物だな…買い物?」




私の持っている買い物袋を見て、苦笑いをする稲瀬。




「そう!今日は香穂ちゃんと遊んで、ヅラにゃんこのグッズ買いに行ったの!ちょっと買いすぎちゃった(汗)」

「うわ…金の無駄」

「ム(汗)」


稲瀬は私から袋を奪い、袋の中を物色。




「うるさいな(汗)袋返してよっ」

「お友だちできて良かったな」


っ!

そう言って稲瀬は笑い、歩くペースを早めた。



また…

あの笑顔が見れた…





「ちょっと待って…荷物っ…」

「持つよ」

「あ…」


荷物、持ってくれるんだ…




「ありがとう」


追い付いた私は、そう言って稲瀬の隣に行き、並んで歩いた。






「…稲瀬は出掛けた帰り?」


隣にいる稲瀬に話しかける。




「東京の友達と会ってきた」

「…!そうなんだ…」


東京から引っ越してきたばっかりだから、稲瀬の仲良い友達は、東京にいるんだよね。




「友達に会うの久しぶりだったの?」

「いや…毎週土日のどっちかは会ってるから、1週間ぶり…」

「あ、そうだったの…」