「キレイ、」



綺麗な形。


大きく広がる手。


そして、綺麗な水しぶき。



水泳部に入って2年目。



何回みても、キレイな泳ぎだ。



私は山萩水樹。そして、今泳いでいるのが、水沢空。



「水樹!勝ったぞ。」



ドキッ。こいつの笑顔にいつもやられる私。


なんで、こんなに好きになっちゃんたんだろう…。


水沢には好きな人がいるのに…。


「おめでとう。」


そう笑顔で言った。これは本心だ。


水沢は「おう!」と言う代わりに私をぐいっと引っ張った。



「ちょっ…っ…」


「約束だろ。」


いつもより真剣な顔。


もし、水沢が勝ったら話を聞けって言われた。


話ってなんだろう…?



告白だったり。キャッ‼︎


なんて、そんなわけ…。


だって、水沢には好きな人がいる…。



「水樹…。お前、俺の事を好きか?」


好きか?って……。


言うんだ、私。


「えっ…う、うん。好きだ、よ、?」


「やっぱりな。俺も好きだよ。水樹のこと。」



っっっっっっ………えーー!


嬉しくて泣きそう…。



「本当に?」


「当たり前だろ。これからも、よろしくな‼︎‼︎」

空がいつもより輝いて見える。


「よ、よろしくって?////」


「普通に友達としてのよろしくだよ。俺たち大の友達だよな!」


友達……?


好きって友達の好き?



「う、うん……。」



「言いたい事はそれだけだ。じゃあなっ。」



「うっ………」


うん、って言えなかった。


こんなの、、、笑えないよ……。



両思いになったって喜んでたなんて…バカみたい…。




私は、涙をこらえて 部活をした。



今は背泳ぎ。



上を向いて浮いてるだけ。



さっきまで輝いた空が、灰色にぼやけてる。




でも、涙を吹いたら灰色なんかじゃなかった。


青く澄んだ空。


輝いてもいない普通の空。



でも、普通の空が「大丈夫だよ。」と言ってくれてる気がする…。



でも、やっぱり現実は変わらない。





そして、







「私たちは友達か……。」













泳ぎながらボソッと呟いた。