「で、これから佐伯センパイと会うわけ?」


「あ、うん、そうなんだよ! 2か月ぶりにねっ」


「ふーん」


 自分から聞いてきたのに、興味なさそうな態度のみーくん。


 別にいいんだけど、なんだか冷たいなあ。


「みーくんはもう帰るの?」


 駅まではあともう少しの距離。


 そっちに向かって歩いているわけなんだからたぶん帰るんだろうけど、一応聞いてみた。


 そうしたらみーくんは、やけに爽やかな顔でにこりと笑った。


「んー、帰ろうと思ったんだけど、亜希を送り届けてからにしようかな?」


「え? なんで?」


 送ってくれるってことだけど、なんで?


 もしかしたらみーくんも、佐伯先輩に会いたいのかな?


 一緒にバスケしてたもんねっ。


「まあ、ちょっと用事のついで、みたいな? で、どこで会うの? その近くまで送ったら俺帰るし」


「あれ、先輩に会わないの?」


「ふはっ、なんで俺が会うんだよ。……まあ、ちょっと用事があるだけだからさ、そのついでに」