パーカーのファスナーは、首元まできっちりと上がっていて安心。
だけど、少し残念。
水着姿、ちゃんと見たかった。
いやいや、海に入るからその時に見られるよな。
そんな思考が頭を巡って、首を振る。
……変態かよ、俺。
でも、好きな子のそういう姿を見たいって思うのは、健全な男子なら当たり前だと思う。
……そうだよな?
「えっと、どうしたの?」
「……なんでもないよ」
曇りを知らなさそうな瞳で真っ直ぐに射抜かれて、罪悪感がわきあがる。
彼女とは、ちゃんと段階を踏んで付き合いたい。
ゆっくりでも、一歩一歩隣りを歩きたいから。
あんまり不純なことばっか考えてたら、それがいつか表に出そうだ。
そんな思いをひっそり忍ばせる俺を見た彼女は、「今日の恭也くん、おもしろいね!」なんて言ってケラケラ笑ってた。



