体育館12:25~それぞれのみる景色~


 パーカーのファスナーは、首元まできっちりと上がっていて安心。


 だけど、少し残念。


 水着姿、ちゃんと見たかった。


 いやいや、海に入るからその時に見られるよな。


 そんな思考が頭を巡って、首を振る。


 ……変態かよ、俺。


 でも、好きな子のそういう姿を見たいって思うのは、健全な男子なら当たり前だと思う。


 ……そうだよな?


「えっと、どうしたの?」


「……なんでもないよ」


 曇りを知らなさそうな瞳で真っ直ぐに射抜かれて、罪悪感がわきあがる。


 彼女とは、ちゃんと段階を踏んで付き合いたい。


 ゆっくりでも、一歩一歩隣りを歩きたいから。


 あんまり不純なことばっか考えてたら、それがいつか表に出そうだ。


 そんな思いをひっそり忍ばせる俺を見た彼女は、「今日の恭也くん、おもしろいね!」なんて言ってケラケラ笑ってた。