覗き込んで見た彼女の顔は、薄いピンク色に染まっていた。
頬をパタパタと手で仰ぎながら、熱を冷まそうとするその仕草。
ほんと、こういう行動をされると、困る。
可愛くて、可愛くて、どうしようもなくなる。
「恭也くん、さっき、急にどうしたの?」
どうしたのって、さっきも言った気がするし、それとなく気付いてくれよと思う。
だけど、真っ直ぐ俺を見つめてくる彼女に、そんなこと言えるわけがなかった。
「だから、心配したんだって」
投げやり気味に同じ言葉を繰り返せば、それを聞いた彼女は目を真ん丸に見開いて、直後ムッとした表情になる。
「そんなこと言ったら、恭也くんだってなかなか更衣室から出て来ないから、私だって心配してたんだよ?」
ああ、やっぱり俺、出てくるの遅かったよな。
彼女の言葉に、反省する。
小さく「ごめん」と謝れば、優しく彼女は笑ってくれた。



