世界一の笑顔



『写真は嘘をつかない』


今でもはっきりとその言葉を覚えている。

きっと祖母は、自分の気持ちに感情に嘘をつくな、我慢するなと言いたかったんだと思う。 あの頃の自分は、顔は泣いているクセに、中身はそんな弱い自分を否定しようとする、嘘つきな人間だった






単純な事だ、写真は一瞬を捉える。その瞬間っていうのは、後にも先にもない事実の景色なんだ。

自分とは真逆の代物。素直な道具だ....





これが自分がカメラにのめり込んでいった理由だった。




暇さえあれば写真を撮っていた。


空に浮かぶ雲の形や、コンクリートから力強く生えている花。


そのどんな写真を撮っても、祖母は必ず笑顔で褒めてくれた。


初めて人に認められた気がしたんだ。それが嬉しくて、親にも見せた.......事が間違いだった。




『ろくに勉強しないで、何やってるの!?』


『こんなもの撮って何になるんだ!!』




こう言われることは分かり切っていたはずなのに....。


正直、写真の事でこんな風に言われて悔しかった。


それで反発して、進路は写真の専門学校へと決めたんだ。そこにはまだ自分の知らなかった道具や機材が、ゴロゴロあってどれも新鮮だった。


それでも親は、


『写真なんかやめろ』

『将来何の役に立つの!?』


と言ってきた。
けれど、自分は写真を辞めようとは思わなかった。

一つはやっぱり「もっと誰かに認めてもらいたい」という理由だったけど、


何よりもう一つは........




















『写真が好き』