そんな姿にさえ、愛おしく思っちゃうあたしは頭がおかしくなっちゃったのかな? 「…智尋、好き」 「俺も好き」 胸がキュンと音を立てる。 12年間。 あれだけ想っていた人とは、叶わなかった。 だけど、もし、怜を忘れられたら、次の恋は絶対叶えて見せるって前思ってたっけ。 「夏希。」 少しいつもより低い声。 その声は真剣味を帯びていた。 「ん?」