lost memory ~失われた記憶~






大翔『…あのな、瑞希……。』




私を抱きしめたまま、黙っていた大翔が口を開く。




大翔『ほんとは、中学の頃、お前が引っ越す時…俺は、"行くな"って言いたかった。でも、あの頃の俺は弱くて、言えなかった…。だから決めたんだよ、お前を守れるくらいの男になったら迎えに行って…傍にいろって言うってな。』




思い出すように、優しい、心地よい低い声で、そう話す大翔。




大翔『あの時、約束してたんだ、悠希さんと。俺が守れるくらいになったら瑞希を迎えに行きます、それまでよろしくお願いしますって頭下げたんだ。』




瑞希『…悠希…と?』




私が顔をあげて大翔のことを見ると、目を合わせて微笑んでくれる。