ニュージャパンプロレスリングに入団して一週間が過ぎた。

毎日ボロボロになるまでシゴかれ、大谷はある意味充実した毎日を送っている。

そんなある日の事。

「明日は8時起床だ」

トレーニングの最後に藤原が言った。

「明日は群馬で興業があるからな。お前にもその手伝いをしてもらう」

興業とは即ち試合の事。

勿論練習生である大谷が試合に出る訳ではないが、試合に出なくても選手の世話や観客の案内など、やるべき事は沢山あるのだ。