猪瀬の一方的なラブコールに、三沢本人はどう感じたのか。

ファンや関係者が注目する中、運命の第三戦、シックスメンタッグマッチ当日を迎えた。

外敵側からは、予想通り武藤、藤原、フライの三名が既に入場している。

そして、ニュージャパン側。

猪瀬の入場テーマが鳴り響く中、会場から歓声が上がる。

入ってきたのは猪瀬、大谷と、少し遅れて三沢だった。

ニュージャパンの現エース、次世代エースと、オールジャパンの次世代エース。

団体を超えた三人のエースによるタッグチームが実現したのだ。

豪華な顔ぶれに、ファンのテンションは否応なく上がる。

リングインした両チーム。

「先発は誰にしますか?」

赤コーナーで大谷と猪瀬が相談する中。

「!」

何も言わず、勝手にマットに立つのは三沢。

猪瀬達と意思の疎通をする事はない。

チームを組んだとはいえ、第二戦での宣言通り、一人で戦うという意思表示なのか。

対する外敵チームからフライが先発で出る中。

「ファイッ!」

試合開始のゴングが鳴った。