「ごめん。気持ちは嬉しいよ。もう、西崎のところに戻らないと。」 「西崎…西崎…って桃は俺の気持ち考えたことあんのかよ!」 俺はもう駄目な男だ。 強がって本当はビビりで、人の弱みを握るとそれをいい具合に使って。 俺は桃に背中を向けた。 「もう、いいぜ。ありがとよ。桃の気持ち知れてよかった。」 俺が振り返った時にはもう、桃は居なかった。