「グハッ」
そして男は無残にも冷たい地面に倒れこんだ。
女はその様子を一瞥するだけ。
「……弱いねー。全然楽しくない。女に負けるとかダサっ」
しかし先ほどは満面の笑みを浮かべていたにも関わらず、今は酷く冷めきった笑みを浮かべている。
そんな女は、厳つい体をしている男を簡単に倒したにも関わらず、スラリとした脚に細い腕を持ったスタイル抜群の女だ。
美しい細い体には、拳以外傷一つ見られない。
拳の傷も小さなもの。
それにこびりついている血は全て男たちのものだ。
今まで殴っていた男の他に、辺りには八人の男たちが倒れている。
そしてその光景を見回す女の顔は酷く整っている。
なんと言えばいいのだろうか。
容姿はとにかく華やかで、誰もが目を奪われるほど。
そしてその美しく、血に濡れた顔を存分に歪ませ、女はこの場所から立ち去った。