黒薔薇~美しき欲望~







「あれ?冬夜、どーしたの?」






閉められたはずのドアから現れた男。





冬夜(とうや)。





この男が“悪魔”と呼ばれている人物。






スラリとしたスタイルに、キレの長い目。






冷たい印象を抱かせるものの、顔はキリッと整ったいい男。






「どーしたの、じゃねーよ。服ぐらい着ろよ?」






冬夜の視線はあたしの胸元に向けられている。





さっきの行為のまま、服を着ずにシーツだけを体に巻いているだけの状態のあたし。






「シャワー浴びようと思って」






冬夜は一瞬眉にシワを寄せるものの、手をシッシッと動かした。






「冬夜冷たーい」






その冬夜の動きにクスクス笑いながら冬夜に近づく。






冬夜の目の前まで歩き、冬夜の首に腕を回そうと手をあげるけど…。






「サラ、やめろ」





冬夜のこの言葉にムッとした。






そのまま冬夜の制止を聞かず抱きつこうとした時___。





「“唯華”」






あたしが望んでいた言葉を冬夜は囁いてくれた。






それにあたしはニッコリと笑い冬夜から離れる。






「サラって呼んだら次は襲うから」






その言葉を微笑みながら冬夜に残し、冬夜が入ってきたドアとは反対方向にある浴室へと足を進めた。