「お婆さんの料理は最高だね。やっぱり、長年、寮母として働いてきた貫禄がある。味付けもしっかりしてるのに、濃すぎなくて丁度いい感じ。この味を出すには、まだまだ修行が必要だな~」
「本宮さんの料理もとても美味しいですよ」
「えへへ、ありがとう。ところで、ハルニレくんは何で食事はお爺さん、お婆さんと別々なの?一緒に食べた方が経済的だし、栄養のバランスも取れたものが食べれそうなのに」
素朴な疑問を投げかけてみる。実の祖父母だし、やにれ荘の後ろに住んでいるのだし、ご飯の時だけふらっと出掛けるのであれば、そんなに苦じゃないはずなのに。
「大学に通っている時はそうして貰ってたんですけれど」
ハルニレはスープを啜り、口の中のものを飲み込んでから答えた。
絵本作家になってからは、自分のペースで仕事を進めているので、時間が不規則になってしまったらしい。夜中ずっと作業をして、昼まで寝ていたり、あるいは夕方まで寝てしまったり、心優しいお婆さんはそれでも、ご飯を作ってハルニレが食べに来るのを待っていてくれたらしい。
「仕事が忙しくなってくると、ますます不規則になってしまって、せっかく料理を作ってくれるお婆さんに悪いなと思って、仕事もしてるし、自立しようを思って、僕がご飯は自分でどうにかするとお婆さんに言ったんです」
それに、寮を辞めてからの老夫婦の楽しみは、気の合う友達と旅行に出かけることらしい。なので、最近は家にいないことの方が多くて、人生を楽しむ祖父母の負担になりたくないと考えているらしい。
とはいっても、ハルニレは料理ができないと思っているお婆さんは、かわいい孫のために、暇を見つけてはタッパーに入れたおかずを届けにくるのだ。
「なるほど、そういう事情があったんだ」
理由を聞いて頷く、確かに自宅にお邪魔した時に、友達と旅行先で撮ったであろう写真がたくさん飾ってあった。
「そしたら___」

