「ばいばーい」
店を出て、通りに出ると私たちは2-2のグループに分かれた。2次会でカラオケに向かうグループとそうじゃないグループ。
「どうしよっか?」
「このまま解散も名残惜しいよね?」
「どっか適当に店入る?」
とりあえず駅に向かおうと歩き出した所で、結芽と桐生くんが相談をする。私は2人の数歩後をハルニレくんと歩いていた。
先程のオシャレな多国籍料理の店と代わって、今度の店は焼き鳥屋さんだった。しかもビールケースをひっくり返して、その上に板を置いたようなテーブルに丸椅子。
テーブルの間隔も狭く、人で溢れかえっていた。モクモクと立ち込める煙は炭火のせいかそれともお客さんの吸うタバコなのか。
威勢のいい店員さんに案内された席に落ち着く。隣にちょこんと座るハルニレくんはどんな風景にも馴染んでいた。
「こういうお店はこういう店で、何か落ち着くね」
おしぼりで手を拭きながら、向かいに座る結芽に言うと「解る」と賛同してくれた。
生ビールで改めて乾杯する。桐生くんは結構いける口らしく、ジョッキを片手にぐびぐび飲み、プッハーと一息ついた。
「なんかビールのCM見てるみたい」
そんな桐生くんの姿を見て、結芽が笑う。確かにその通りだと同意して笑いあった。

