私が彼との同棲を解消したことによって、家無しになった日から、結芽の家に居候させて貰っているのだ。
「好きなだけいていいからね」「遠慮しないで自分の家だって思ってくれていいからね」優しい結芽は、彼氏に留守中に浮気をされて、傷ついている私を慰めてくれているのだけれど、いつまでもその好意に甘えているワケにもいかない。
結芽にも社会人になってから、1年くらい付き合っている彼氏がいるし、その彼氏と一緒に住むための物件を探しているのだと、前に聞いていた。
私の事情を聞いてから、気を遣って、彼氏の話を出さない結芽に感謝しつつも、心が痛んだ。
あの日から、一週間経って、彼が迎えに来てくれるんじゃないかってどこかで期待してた。
ドラマのように謝って、「お前がいなくなって、俺にとってお前が大切な存在だって気付いたんだ」と愛の言葉を叫ぶ。
私は涙を流して、彼の胸に飛び込み、全てを許す。
しかし、現実は、連絡さえもなかった。
彼を諦め切れない私と、1人で生きていく決意をする私が頭の中で戦っている。
結芽には申し訳ないと思うばかりで、新しい自分の住居を探す気にはまだなれなかった。
結芽は見るからに落ち込んでいて、ふとした瞬間に浮気現場を思い出してはめそめそと泣き出す私を見かねて、飲み会に行こうと誘ってくれたのだ。
大学時代は、近くの大学との共同サークルに入っていた。
女子大だったので、男子との交流が極端に少なくなると思った結芽が見つけてきたサークルだった。

