2人の未来のために良かれと思って、家事を頑張っていたつもりだったのに。
「正直、俺のためっていう所がウザイ・・・何か、最近、奏多といると疲れる・・・変に期待されてるみたいで」
「期待?」
ドキリとして、思わず背筋が伸びる。
「それって、結婚・・・」
そう言いかけた所で、彼がこちらを一瞥した。
冷たい視線に背筋がゾッとした。
「やっぱりな・・・友達が式挙げるって聞いてからソワソワしてたから、いつか口に出されると思ってたんだ。重いよ、そういうの」
はぁと彼はまた溜息を吐き、ダルそうに後ろ頭を掻いた。
ソファの上で胡坐を掻くと、テーブルの上のリモコンを手に取る。
「・・・同棲始めてもう2年になるんだよ。私ももう社会人だし、そもそも同棲って結婚を意識して始めるもんじゃないの?」
「言っとくけど、結婚する気はないから」
念を押すようにさらりと彼は告げた。
あまりにあっさりとした答えに、涙が頬を伝った。
めそめそと泣き出す私を無視して、彼はテレビを付け、そのままソファに横になった。

