空音を奏でる宙


(少し早く来すぎたか?)

駅の時計を見やるとその答えはすぐに出た。
僕が来たのは午後一時五十五分といったところだろうか。
約束の時刻は一応午後二時ということになっている。
つまり僕は約束の時刻に間に合ったということである。
そして、現在の時刻は──

──午後二時十五分。

完全にあちら側が遅刻である。
待ち合わせの人物はよっぽど神経が図太いのか、それともこののどかな町の影響で心までゆったりとしてしまったのか。
少なくとも時間に縛られた現代の社会ではあまり考えられないことである。

そんなことを考えつつさらに十五分が経過した。