感情のおもむくままに僕は音を鳴らした。


ガアアアアアアアアンンン!!!


いままでに出したことのない最も大きく、最も強い音。
それが会場内に響き渡る。
観客は驚いたように耳をふさいだり、呆然としている。
僕はなぜだか息が切れていて、走り終わった陸上選手のように肩を上下させていた。

もはやそれはあてつけである。
どうだ!
これが僕の痛みだ!
いままでさんざん人を縛り付けやがって!
とうとう一撃をくらわしてやったぞ!